このNACAダクトの奥にはタービンのインペラーが見えます・・・
フレッシュエアの導入&走行時にはラム圧による過給効果も有ります。
でも、雨の日は水を吸うので走れません。
室内は4点式ロールゲージをベースに、オリジナル加工で8点式に変更。
ボディのネジレ防止のため、剛性アップを図っています。
ロータリーは、意外とエンジンがボディに与えるストレスが大きいく、ノーマルならまだしも、ハードチューニングすると、その傾向は顕著に表れます。
それを少しでも軽減するための剛性アップです。
※レシプロが燃焼室内をピストンが上下するのをクランクシャフトを介して回転運動に変換するのに対し、ロータリーはローターの回転がエキセントリックシャフトを介してそのまま伝達されます。
そのため、エンジンを中心として、左右に回転しようとする反力が発生します。
その反力が、ボディをヨジレさせてしまうのです。
(単発レシプロ航空機が、左右旋回能力に差があるのと同じ原理です。)
エンジンルームで目を引くのは、やはりT88-34Dというバカデカイタービンですね。
でも、バッテリーを移設したことで、配管の取り回しがスムーズに行えるので、スッキリした印象です。
これだけ大きなタービンを回すためには、給排気系の容量アップが必須となります。
そこで、エキマニはステンレスで、マフラーはチタンでワンオフ作成。
(しかし、あまりにも爆音なため、普段はステンのマフラーを装着しています。)
エンジン内部は、2分割アペックスシールと強化コーナーシールを使用。
さらに、ビッグタービンを回し切るために吸気ポートはブリッジポートの上をいくオギジュアリポート化。
オギジュアリポートとは、かつてレースシーンでロータリーのペリポートが禁止された際、レギュレーション違反逃れをするために用いられた特殊なポート形状です。
ここはエンジンを製作した店長の趣味&こだわりです。(^^)
さて、ココま豪快にポート加工を施し、補記類を大幅に変更してしまうと、サブコンや追加インジェクターコントローラーでは役不足。
(ロータリーのポート加工は、レシプロエンジンにおけるカム交換と同じ効果があります。)
そのため、制御系には無敵のフルコンMOTECを使用。
このフルコンは「どんなエンジンでも、どんな仕様でも制御できる」と言っても過言では無いでしょう。
事実、今回の仕様でも、普通にセッティングできてしまうのがMOTECのスゴイところです。
一通り作業を終えたのち、最終セッティングを兼ねて実走テストに入りましたが、ココで予想外のトラブル発生。
強化クラッチ(ツインプレート)が滑ってしまいました。(-_-;
思ったよりもパワーが出ていたようです。
そこで、強化クラッチをトリプルプレートに交換して、再度実走テストを再開。
そしたら今度はミッションが壊れました・・・
ノーマルミッション使い回しがダメだったようですね。
ミッションケースまで逝ってしまったため、強化&加速力アップも兼ねて、OS製クロスミッションに交換。
すると今度はドライブシャフトがネジ切れて・・・・
結局、最終的にはリア周りにGT-R用のリアメンバーを丸ごと移植しました。
ゼロヨン仕様車なので、かなりピーキーな特性でもイケるかな?
と、思っていたのですが、実際に走らせたら結構タイヘンで・・・
フィーリング的には面白くて速いのですが、ちょっとドライバビリティが悪いです。
なので、次回はツインターボで低回転域から高回転域まで使える、フラットな特性のエンジンを作ろうかと画策中です。
MAZDA RX-7 FD3S 2ローターT-88タービン
元々、当店はロータリーエンジンのチューニングを得意としており、ロータリーに関しては相当なノウハウを持っていると自負しています。 そこで、今回は2ローターでT-88タービンを回しきって600PSオーバーという目標を持って作成にあたりました。 (今回はスタッフの趣味も反映されているため、要所要所にこだわりが入っています。) 外観はいたってシンプル。 リアウィングを取っ払い、ボーダー製のフロントバンパーを装着しただけ。 色も地味目なダークグリーン。 目立つポイントとしては、ボンネットに設置したNACAダクトくらいですね。