エンジン仕様
エンジンを外しミッションを切り離します、空冷エンジンより慣れてしまえばGT3の水冷の方が少し楽かもしれません。
作業を進めるとさすがGT3と思わせる部分が何箇所もあり楽しいですね。
スロットルボデーに何を選ぶかによって製作コストが大きく変わります。
また出来上がってからのパワーやエンジン特性にも大きく左右される事になります。
他のショップはトヨタ5バルブ用のスロットルを流用している様ですが、私は市販されている空冷ポルシェ用を選びました。
理由は色々有りますがスロットル同士の間隔が同じだったと言う事や排気量に対しての口径が理想的だった事が決め手と成りました。
加工して行くうちに改めてこの選択がが正解だったと言う事がわかって来るのです。
エンジンコントロールはMOTECコンピューターを使うことを決めていました。
高価ですが、どの様な仕様に対しても必ず結果を出してくれます。
今まで助けられた事は何度もありましたが裏切られたことは一度もありません。
AVOモーテックジャパンのスタッフにはいつも感謝しています。
ノーマルのインテークマニホールド、シングルスロットルその他補記類をどんどん外し6連スロットル製作が始まります。
最初にインテークマニホールドを作ります。
ノーマルのインテークマニホールドにフランジを組み付けます。
ここはアルミ溶接したい所ですがアルミ溶接はどうしてもフランジ面に歪みが出てしまいます。
肉厚があれば面研も可能ですが私はOリングを使ってボルトで止める方法を考えました。
加工は塚田技研にお願いしました。加工精度が高く信頼しています。見てくださいすばらしい加工です。
スロットルボデーとインマニです
こんな感じになりました、すべてはオープンに出来ないので興味のある方は連絡ください
リンケージは苦労しました。
ワイヤー1本で左右のスロットルを正確に連動しなければ成らないのですが、このエンジンは右バンクと左バンクが約60mm前後にオフセットされています。
さらに水冷タイプのオイルクーラーがすごく邪魔になって苦労しました。
完全にレース仕様であれば楽なのですが、オーナーのエアコンを残して貰いたいと言う希望が更に事を難しくさせていました。
左右を結ぶシャフトは太い中空タイプを使用し、ねじれに負けないようにしました。
全開時のワイヤーの移動距離とスロットルを開けるリンケージの長さを計算しながら製作しました。
アクセルを開ける感覚はすごく大事で重かったりダイレクト感が無かったりしたらせっかくの6スロ計画そのものが失敗に終わる可能性がある訳で非常に緊張しながら作業しました。
おかげで出来上がりは最高によく出来たと自負しています。
どうでしょうカッコいいですね、いい仕上がりです。
完成したシャフトは塗装屋さんでペイントしました。
缶スプレーでは質感が無く長持ちしません。
今回は手探り状態で製作したために、試行錯誤の連続でしたがイイ物が出来たと満足しています。
しかし課題も色々残しましたので次回エンジンを下ろした時は更に改良したいと考えています。
エクステリア
他のショップのGT3のエンジンルームを見た時ファンネル上部の空間が狭いと感じました。
この事がインマニ製作の時に大いに参考になりました。
おかげでロングタイプのインマニを取り付けても上部に5センチ位の空間を確保する事が出来ました。
また、熱がこもり吸気温が上がってパワーに影響が出ると言う情報もあったので、ファンネル上部に直接空気が入るようにエアーダクトを取り付けました。
左右のリヤガラスからダクトを引いて冷えた空気を取り込みます。
アイドリングコントロールバルブ取り付けの為エアータンクを左右に取り付けました。
燃圧レギュレーターを市販の物に交換しました、燃圧計付です。燃圧計の後ろにリンケージシャフトが斜めに走っています。
MOTEC
M800 MOTECコンピューターを取り付けセットアップします。
ノーマルのカタログデーター360Ps トルク37.7kgmが6連スロットル+Motec仕様に変更後390Ps トルク40.0kgmと言う素晴らしい成果を記録しました。この数値はGT3後期モデルやRSの381Psを上回るパワーアップとなり次回レースが大変楽しみです。