しかし、この型式のトゥデイは、ビートの蔭に隠れて目立たない存在ですが、
実は結構スポーティーな車なんです。
搭載されているエンジンはビートと同じE07A型。
最高出力はビートの64psに対しトゥデイは58psと若干控えめ。
でも、ビートの車重が64ps760Kgなのに対し、トゥデイは680Kgと80Kgも軽量。
そのため、パワーウェイトレシオはビート/トゥデイともに同じ数値(12kg/ps)。
さらにガソリンタンクはビートの24lに対し、トゥデイは30l。(+6l)
ホイールベースはビートの2,280mmに対し、トゥデイは2,330mm。(+50mm)
トレッド(前後)もビートの1,210mmに対し、トゥデイは1,225mm。(+15mm)
ノーマルやライトチューンで乗る分には、ビートのほうが小気味よくキビキビ走ってくれますが、ターボ化による大幅なパワーアップ&サーキット走行を前提とした場合、タイヤの取り付け位置がワイドなトゥデイのほうが安定性に優れているのです。
また、フロントにエンジンを搭載するため、ミッドシップのビートに比べて冷却系パーツの取付・取り回しに余裕を持たせられる事から、冷却性能もアップします。
一見ウケ狙いに見える車種変更ですが、実は結構理にかなっているんですね。
前書きはさておき、ココからが本題です。
前述した通り、オーナーは軽自動車耐久レース仕様のビート・ターボ(弊社製作)からの乗り換え。
トゥデイとビートは同一型式のエンジンを搭載。
駆動方式がMR/FFと異なりますが、MRもFFもエンジンは横置きでミッション&デフも一体式。
端的に言えば、パワートレインとドライブトレインを車の先端に搭載しているか、真ん中に搭載しているかの違いだけ。
(実際には結構異なりますが・・・)
つまり前の車からかなりのパーツ移植が可能って事です。
主なチューニング内容
①オリジナルターボエンジン載せ換え(純正部品流用ちょっとチューン済)
②ミッションオーバーホール+ナンチャッテクロスミッション化(純正部品組流用ちょっとだけクロス)
③ワンオフエキマニ作成+アクチュエーター交換
④ワンオフマフラー作成(見た目ノーマル風)
⑤ワンオフサージタンク作成&吸気系パイピングレイアウト変更
⑥冷却系強化(強化ラジエター&オイルクーラー)
⑦クラッチ交換&デフ移植
ビートターボから乗せ変えたエンジンは、ターボ化した際に各種純正部品を流用して耐久性&出力向上対策も行っています。
主な流用部品
◆シリンダーブロック
トゥデイ用E07A型シリンダーブロック
(走行距離が少なく程度の良いモノ)に変更。
◆ピストン・コンロッド・クランク
Life DANK用純正部品に変更。
◆ヘッドブロック
ビートのヘッドブロックを移植。
◆メインインジェクター
RX-7(FC3S)純正(550cc)×3に変更。
◆燃料ポンプ
シルビア(S15 SpecR)純正に変更。
さらに駆動系もトゥデイとビートの純正ギアを組み合わせて作成したプチ・クロスミッション。
クラッチはOS GIKENの軽自動車用強化品。
LSDはCUSUCOのビート用を移植。
タービンは前のビートターボから移植したTRUST製TD-04 11B。
このタービンをトゥデイに搭載するため、タコ足とアクチュエーターのステーをワンオフ作成。
ついでにサージタンクも新たに作成しました。
また、トゥデイはエンジンを後方に寝かせるようにマウントされ、エンジン直下にドライブシャフトが通るため、タービンからのオイルリターンの引き回しが大変なんです。
普通にリターンホースを引き回しただけでは、高負荷時にオイルのリターンが追いつかず、トラブルの元にもなりかねません。当社では小技を使ってこの問題をキチンと解決しています。
オーナーからの要望により限りなくノーマルに近い外観を保つべく、純正バンパーの開口部をカットして純正っぽくインタークーラーとオイルクーラーをフィッティング。
インタークーラーはTURST製汎用(260mm×266mm)。
オイルクーラーはTRUST製小型車用汎用。
もちろんマフラーもワンオフ作成ですが、コレも見た目ノーマル風で作成。
ワンオフ作製の中間パイプ。
出口もノーマル風。
結果、一見するとお店の代車?と思わせるほど、見た目フツーなモンスターマシンの完成です!